10月28日に開かれた公聴会の様子(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 米議会の上院の商業科学運輸委員会は10月28日、米ツイッター、米フェイスブック、米グーグルの経営トップ3人を呼び、公聴会を開いた。

 ロイター米ウォール・ストリート・ジャーナルなどの報道によると、公聴は午前10時(東部時間)に開催。ツイッターのジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO、グーグルのスンダー・ピチャイCEOがオンラインで参加した。

与野党の議員が3社を非難

 共和党議員からは、保守的な言論を検閲しているとの批判が集中し、SNS企業を激しく攻撃した。一方、民主党議員は、選挙を妨害している偽情報への対応が不十分と批判したという。

 議論の焦点となったのは、米国で1996年に制定された通信品位法(CDA)の第230条。条項は利用者の投稿についてSNS企業の法的責任を免除する一方、自らの裁量による投稿の削除を認めている。

 トランプ大統領や共和党の一部議員はこの条項の改正を求めている。これに対し、3社のCEOは、「230条があることで言論の自由と、問題がある投稿の抑制を両立させることができる」とし、その重要性を主張。条文を維持するよう求めた。

トランプ大統領

 これに先立つ10月14日、米紙ニューヨーク・ポストが大統領選の民主党候補、バイデン前副大統領の疑惑を報道したが、ツイッターとフェイスブックはこの記事の拡散を制限する措置を講じた。ツイッターのドーシーCEOはその後、「何ら説明もなく阻止した行為は許されない」とし、この措置を撤回した。

 しかし、トランプ陣営は「意図的な検閲だ」「SNSはバイデン氏の味方をしている」と主張し、激しく反発した。ツイッターは5月、カリフォルニア州の郵便投票に関するトランプ大統領のツイートに事実確認を促す注記をつけたが、これにつてもトランプ大統領が激怒したと伝えられている。

 大統領はその2日後にSNSを対象にした大統領令に署名。「通信品位法230条を撤廃あるいは変更する法案の策定に司法長官が直ちに着手する」と述べた。