(英エコノミスト誌 2020年9月26日号)

資金の借り入れが容易になり、政府の支援も得られることから、まだしばらく歩き回る見通しだ。
お金持ちのリストに宇宙旅行経験者の名前が散見されることで分かるように、企業間の競争は勝者に巨額のご褒美をもたらすことがある。
その一方で、敗者にはぞっとする最期が待っている。少なくとも、かつてはそうだった。
最近では、利益を上げられないが清算や身売りを宣告されているわけでもない企業が数多く姿を現している。いわゆる「ゾンビ」企業がビジネス界を徘徊しているのだ。
これは経済にとって悪い知らせだ。
おまけに、新型コロナウイルス感染症「COVID-19」による景気下降期には、さらに多くの企業がゾンビ化する恐れがある。
日本の失われた10年の特徴だったが・・・
ゾンビ企業は新しい現象ではない。
1990年代の日本では、かろうじて黒字を維持する企業がいわゆる「失われた10年」の大きな特徴になっていた。ゾンビ企業はその後、日本のみならず世界中に姿を見せるようになっている。
中央銀行のクラブである国際決済銀行(BIS)によれば、パンデミックが始まる前の時点で、裕福な国々では上場企業の6分の1近くがゾンビに分類できる状況になっていた。
1980年代の割合が20分の1前後だったから、大幅に増えた計算になる(図1参照)。
