トランプ敗北=異教徒による聖地占拠

 世論調査が示唆しているように11月の大統領選挙でトランプ氏が敗れれば、米国は大変な危険にさらされるだろう。

 Qアノンの教義によれば、トランプ敗北は異教徒が聖地を占拠するに等しい出来事となる。

 米国にはディープ・ステート(影の国家)を支配する悪魔の勢力が存在しており、トランプ氏はそれを倒してくれる唯一の希望だという見方が、Qアノンの世界観の土台になっているのだ。

 米国民の多くはこの脅威を深刻にとらえていない。Qアノンに触発された銃撃事件がこのところ(未遂も含めて)数件発生しているにもかかわらず、だ。

 2019年にニュージーランドのクライストチャーチで起きた銃乱射事件の犯人をはじめ、銃撃を成功させた白人ナショナリストのほとんどは、「8chan」や「4chan」といったQアノンお気に入りの掲示板サイトに、Qアノンの教義に似た理屈を用いた声明を発表している。

 この特徴は、テキサス州のショッピングモールで昨年、23人のヒスパニック系米国人を殺害した右翼過激派の犯人にも当てはまる。

 その前の年には別の右翼過激派がピッツバーグのシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)で礼拝中のユダヤ人11人を殺害した。

 小規模な事件や事前に阻止された企みは、計数十件に達する。

 白人が犯罪に及んでも、一匹狼の犯行だとか、犯人は精神的に問題を抱えていたなどとしてテロから除外することに米国人は慣れてしまっている。