菅義偉官房長官

 菅義偉内閣がまもなく発足する。党内の主要派閥に推され、総裁選では圧倒的な数の力を見せつけたが、改めて注目されたのが衆参の無派閥議員からなる「菅グループ」の存在だ。約30人と報じられ、石破派(19人)や石原派(11人)以上の勢力とされている。しかし、顔ぶれについてはほとんど知られていないのが実情だ。「菅グループ」にはどんな人物がいるのか。詳細に検討してみると、意外なことが判明した。

衆院15人、参院11人でカウント

 一般的に「菅グループ」とされるものには、派閥横断の勉強会である「韋駄天の会」もあるが、真っ先に言及されるのが衆院当選4回以下の無派閥議員からなる「ガネーシャの会」である。このほか、参院にもグループがあり、各派閥にも隠れ“菅派”がまるでスパイのように紛れ込んでいる。グループは非常に緩やかなつながりとされており、菅氏が全員を個別にコントロールしているようだ。

 さて本稿では、グループの面々が菅氏に面会して出馬を要請した際の記念写真、一部推薦人名簿を基準に衆院15人、参院11人の計26人を「菅グループ」と認定する。

 衆院は、大串正樹氏のフェイスブックにアップされた写真を基準にする。菅氏に総裁選への出馬を要請した当選4回以下の「無世襲・無派閥」の14人の顔が確認できる。対外的に名簿が発表されているわけではないので、動かぬ証拠として写真を根拠にしたい。

大串正樹議員Facebookより

 敬称略で名前をあげると、後列左から、三谷英弘、熊田裕通、穂坂泰、木村哲也、藤井比早之、秋本真利、田中英之、黄川田仁志、武村展英。前列左から、大串正樹、星野剛士、田中良生、菅義偉、坂井学、山本朋広の各氏だ。

 写真には入っていないが、菅氏の推薦人である牧原秀樹経済産業副大臣を加え、衆院は15人とする。

 参院に関しても、総裁選への出馬を要請した11人と菅氏の記念写真を根拠にする。島村大氏のツイッターなどから確認することができる。

島村大議員ツイッターより

 こちらも敬称略で名前をあげると、後列左から、小川克巳、徳茂雅之、朝日健太郎。前列左から、三宅伸吾、和田政宗、三原じゅん子、松下新平、菅義偉、島村大、園田修光、阿達雅志、柘植芳文の各氏だ。

 以上11人を参院の「菅グループ」とする。