「フォートナイト」のプレイ画面(写真:ZUMA Press/アフロ)

 米アップルと、人気ゲーム「フォートナイト」を開発する米エピックゲームズの対立が激化している。米ウォール・ストリート・ジャーナルや米CNBCなどは9月8日、アップルがエピックを反訴したと報じた。

「手数料の徴収は反競争的行為ではない」

 アップルがアプリ内課金で30%の手数料を取っている商慣習を「独占的」と批判するエピックに対し、アップルはエピックが独自に導入した外部課金システムを「手数料の窃盗」と批判。契約違反には責任を負わせるとして、外部決済システムの恒久的使用禁止と、これまでに得た利益の返還などを求めている。

 アップルは訴状で、「他社が自社のサービスを利用する際に手数料を取ることは反競争的な行為ではない」と述べた。

 また、エピックがアップルのアプリ配信サービス「App Store」から6億ドル(約635億円)以上の収益を得ていると指摘したうえで、「エピックとは、App Storeから得ている莫大な価値に対し、断じて何も払うつもりがない数十億ドル規模の企業だ」と主張した。

「エピックは周到な計画を立てて攻撃を開始した」

  ウォール・ストリート・ジャーナルなどによると、事の発端は今年8月13日だった。エピックのティム・スウィーニーCEO(最高経営責任者)はこの日の午前2時に「エピックはもはや、アップルの制約には縛られない」と記した電子メールをアップルの幹部に送った。その数時間後、フォートナイトにあらかじめ組み込んでおいたアプリ内課金の独自決済システムを稼働した。

 これを受け、アップルはフォートナイトの配信を停止した。

 エピックはその日のうちにアップルを提訴した。