(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年9月9日付)

ベルギー・ブリュッセルにある欧州委員会

 欧州各地で新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。

 これにより各国が新たなロックダウン(都市封鎖)に追い込まれるか、大きな混乱もなく対処できるかは、まだ分からない。

 各国政府は再び、ロックダウンを余儀なくされるかもしれない。たとえ違ったとしても、再び頭をもたげた不安が平常への回帰を阻むかもしれない。

 あるいは、入院患者数が十分に低いレベルにとどまり、大半の活動を再開できる可能性もある。

手元資金使い切り、債務積み上げたツケ

 もう分かっているが、我々が十分な切迫感をもって扱っていないのは、欧州の企業経済がすでに負った深刻なダメージだ。

 多くの企業のバランスシートがひどく傷ついたことから、新たな成長に貢献することはおろか、平常へ戻る能力さえ疑わしくなった。

 非現実的なベストケースのシナリオ(コロナが収束し、経済活動が勢いよく回復するシナリオ)でさえ、深刻な問題が残る。

 これがゾンビ経済だ。

 過去数十年もなかった急激な景気悪化により、多くの欧州企業は会社のソルベンシー(支払い能力)がギリギリになるところまで手元資金を使い、債務を増やすことを強いられた。

 欧州連合(EU)の欧州委員会は今年5月、比較的楽観的なシナリオの下で、欧州企業が年末までに7200億ユーロの損失を出すと計算していた。