災害時、マイカーがない人は避難所に移動するのも難しくなる(筆者提供。一部画像を加工しています)

(柳原 三佳・ノンフィクション作家)

 ここ数年、「今までに体験したことのない・・・」という大型の強い台風が、日本列島に相次いで襲来し、その記録を塗り替えています。

 暴風雨による瞬間的な被害から命を守ること、まずはこれが最優先ですが、台風が過ぎ去った後に長く続く「停電」や「断水」といったライフラインの寸断は、被災地域の住民を予想以上に苦しめます。

 千葉県の郊外に住んでいる私は、昨年9月9日に発生した『令和元年房総半島台風』に見舞われました。

 この台風は関東地方に上陸した台風としては観測史上最大の勢力で、巨大な2本の送電塔を倒壊させ、2000本以上の電柱に損傷を与えました。その影響で、千葉県内では最大93万4900戸が停電するという事態に至りました。

倒れたままの電柱(筆者提供)

 停電に伴って連鎖的に発生するのが断水です。

 千葉県も例にもれず、浄水場から各家庭に水を送るポンプが停電で止まってしまったため、約3万戸で断水が発生しました。

 我が家は幸い、停電も断水も約50時間で復旧しましたが、周辺では電気が戻るまでに2週間以上かかった地域も多く、連日35度を超える猛暑の中、住民の方々はクーラーも使えず、シャワーも浴びることができず、本当に大変な思いをされていました。

停電時の避難場所として「マイカー」のありがたさを痛感

 さて、そんな過酷な状況の中、私自身が痛感したのは、「マイカーの存在のありがたさ」でした。

 このときの体験については、

『筆者の自宅も50時間停電 「マイカー避難」で感じた4つの重要ポイント』(2019.9.13/Yahoo!ニュース個人:https://news.yahoo.co.jp/byline/yanagiharamika/20190913-00142405/

 に書いた通りです。