「繁栄のための和平」プランを打ち出したトランプ政権。イスラエルとUAEの国交樹立など成果を生み出し始めた(写真:AP/アフロ)

 2020年1月、トランプ政権は中東和平の実現を目指した「繁栄のための和平」プランを公表した。前回の拙稿「なぜイスラエルとUAEは国交を樹立したのか」で書いた状況の後、直ちにパレスチナやイランが反発を始めたが、エジプトが仲介に入るなど和平への動きは動かしがたい形になりつつある。

 この歴史的な国交樹立は、米国内で多くの米国人が見る三大ネットワークのニュースのほか、CNNやFOXニュースが称賛しただけではなく、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウォールストリート・ジャーナルなどの大手紙も高い評価を下した。

 この件に関して米国は一枚岩なのだ。これは社会の分断が進み、トランプの政策というだけで反対する人が多い米国の中では、珍しい出来事だったと言えるだろう。

 ここではこの詳細を説明するが、その前に、中東地域への日本の貢献、特にUAEとの関係緊密化について触れておきたい。前稿でも触れたように、日本とUAEは良好な関係を維持してきた。それがいよいよ本格的なビジネスにもつながろうとしている。