韓国の国会議員の口からも「金正恩委員長の後継者に決まったのではないか」と指摘された金与正党第一副部長(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

「過酷な内外情勢が継続し、想定外の試練が重なっているのに伴い、経済事業が改善できず、計画されていた国家経済の長期目標が深刻に遅れ、人民の生活が明らかに向上できないという結果ももたらされている」

 8月19日に平壌で開かれた朝鮮労働党中央委員会第7期第6回全員会議で、「朝鮮労働党第8回大会を招集するにあたって」と題した「決議書」が発表された。その中に、いつもの誇り高い朝鮮労働党の文書とは思えないような表現が飛び出した。それが前掲の一文である。

平壌駅も水没しかねなかった大水害

 翌20日、韓国国会の情報委員会では、韓国政府の情報機関である国家情報院の最新報告が行われた。そして報告終了後、野党側幹事の河泰慶(ハ・テギョン)議員(未来統合党)が、会見を開いて気になる発言をした。

「金与正(キム・ヨジョン。金正恩委員長の妹で党第一副部長)が後継者に決まったのではないか。金正恩(キム・ジョンウン)が依然として絶対的な権力を持っているが、以前より少しずつ彼女に権限を委譲するようになってきている。金正恩は過去9年の統治によって、ストレスが相当溜まっているのだろう」

 異変は、他にもある。日本時間の20日、1973年から北朝鮮と国交を結び、国交のないアメリカの利益代表も受け持っているスウェーデン大使館が、平壌(ピョンヤン)在住の外交官を、大使以下、全員出国させたことがニュースになったのだ。ドイツやイギリスなどに次いで、ついにスウェーデンも「国外脱出」を敢行したのである。

 このように、北朝鮮の「何かがオカシイ」のだ。