(英エコノミスト誌 2020年8月15日号)

世界第2位の経済大国となった中国の封じ込めは不可能に近い(写真は上海)

中国の強権的な指導者が新たな経済指針を掲げている。

 米国による中国との対決姿勢が危険なほどにエスカレートしている。

 この1週間でホワイトハウスは、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」とソーシャルメディア・アプリ「微信(ウィーチャット)」の禁止に至りかねない措置を発表し、香港の政治指導者らに制裁を科し、さらには台湾に閣僚を派遣した。

 圧力を段階的に強めている背景には、選挙の思惑も絡んでいる。

 中国に厳しい態度で臨むことは、ドナルド・トランプ大統領の再選に向けた運動の柱の一つなのだ。

 また、これはイデオロギーの問題でもあり、ますます独断的になっている中国をすべての対立分野で急いで押し戻すことに政権内のタカ派が覚える切迫感を浮き彫りにしている。

 しかし同時に、これは貿易戦争を始めた時からトランプ政権の対中観を下支えしてきた想定の反映でもある。

 このアプローチは成果をもたらす。なぜならステロイド剤を打ったような中国の国家資本主義は見かけほどには強くないからだ、という思い込みだ。

シンプルだが間違っている論理

 このロジックは魅惑的なほど単純明快だ。いわく、確かに中国は経済成長を遂げてきたが、それは債務、補助金、縁故主義、知的財産の窃盗という持続不可能な処方に頼ることで実現できたにすぎない。

 十分に強い圧力をかければ中国経済は破綻する可能性があり、指導者たちも譲歩を強いられ、最終的には現在の国家主導のシステムを自由化せざるを得なくなる――。

 マイク・ポンペオ国務長官が述べているように、「自由を愛する世界の国々は、中国に変革を促さなければならない」というわけだ。

 シンプルではあるが、間違っている。