中国軍からの攻撃を想定して台湾軍が実施した軍事演習「漢光演習」の様子(2020年7月16日公開ゲラ、写真:ロイター/アフロ)

(平井 和也:翻訳者、海外ニュースライター)

 5月に米外交専門誌『フォーリン・ポリシー』は、中国がコロナ禍につけこんで台湾に対する軍事的な圧力を強めているという主張を展開していた。実際に中国は台湾への軍事的威嚇を強めている。8月10日には、中国軍の複数の戦闘機が台湾海峡の中間線を越えたと台湾国防部が発表した。その狙いは、アレックス・アザー米厚生長官が台湾を訪問したことへの牽制にあると見られている。

 中国の台湾への軍事行動について、米陸軍で中佐として21年間の軍歴を持つダニエル・デイビス氏が8月6日に、米誌『ナショナル・インタレスト』に「米国は中国の台湾進攻を撃退できるか?」という興味深い論考を発表した。

 この論考の中でデイビス氏は、米中の台湾をめぐる軍事衝突に関する最新の机上作戦演習の悲観的な結果と、米国の防衛予算膨張が招く破綻の懸念を示し、それを踏まえて米国がとるべき方策を提唱している。以下にその概要を紹介したい。

米国が壊滅的な損失を被る可能性

 中国が台湾に侵攻した場合、米国は中国を撃退できるのか? 記事の冒頭でデイビス氏は、ショッキングな分析結果を紹介する。