今年7月22日にソウルの日本大使館近くで開かれた「水曜集会」の様子。慰安婦像が抱えるボードに書かれた「1449」は1449回目の水曜集会の意(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 8月12日、旧在韓日本大使館があった敷地を眺めるように座っている慰安婦像の隣で、正義記憶連帯(以下正義連)が主導する1452回水曜集会が開かれた。

 同日の集会では、第8回日本軍慰安婦被害者をたたえる日を迎えて世界連帯集会も同時開催となっていたが、「世界連帯」という言葉がむなしいほど静かなものだった。この日の集会を、韓国メディアは「大規模集会」と表現したが、実際のところ現場には参加者よりむしろ取材陣のほうが多かった。同日の参加者は100人も至らない規模だった。

正義連と水曜集会に浴びせられる世間からの冷たい声

 集会への出席を予告し、イベントの目玉になるはずだった李容洙(イ・ヨンス)氏は、「洪水被害で全国民が苦しんでいる状況で(水曜集会が)行われるのは適切ではない」との理由で出席をキャンセル。議論の中心にいる尹美香(ユン・ミヒャン)議員も出席しなかった。

 代わりに同日の集会で最も目立ったのは、黄色いTシャツや青い朝鮮半島国旗が描かれたTシャツを着た中学生から大学生に至るまでの幼い学生たちだった。プラカードを手に集まった彼らの胸には「反日行動」という文字が刻まれていたが、手にしたプラカードに書かれたスローガンは「反日」だけではなかった。

「米国の妨害には解放で!」、「尹錫悦(検察総長)拘束、検察改革」、「言論改革」、「朝鮮日報の虚偽と裏切りの100年」などなど。

 反日に反米、検察や保守メディアに対する攻撃まで、正義連が主導する慰安婦運動のアイデンティティを代弁しているかのような掛け声が並べられていた。集会の演説でも、日本に対する激しい非難が続く中、慰安婦問題とはまったく関係のない韓国検察とマスコミを非難する内容までが叫ばれ、さまざまな主張をごちゃ混ぜにした印象だった。

「検察の強圧的な取り調べ態度、やりすぎの捜査など、到底理解できない捜査過程でも、召喚と質疑に最大限協力している」

「マルン(会計法人)は2019年の会計業務、税務業務、公示業務と2020年現在の財団(正義連)の会計管理の水準は、全般的に良好だと評価した」(イ・ナヨン理事長)

「正義連の運動行為は毀損されてはならない」(正義連「省察とビジョン会」の崔光基議員)

「メディアの誤報や歪曲報道が相次いだ『正義連事態』を見て、連帯と支持の声を出したかった。私はすべての市民がマスコミに一緒に質問しなければならないと思う。なぜ虚偽事実を流布し、なぜ歪曲報道をするのかと」

「正義連事態は韓国の言論問題の総合セット」(チョ・ソンヒ民主言論市民連合)

 たが、彼らの主張に対する韓国国民の反応は冷酷極まりなかった。集会のニュースを伝えた記事には、正義連と水曜集会についての否定的なコメントが殺到した。

<まだ水曜集会をやってしているのか? ずうずうしいやつら>

<正義連は代表性を失った。自主的に解散し、募金を回せ>

<検察は直ちに尹美香を召喚して取り調べろ>

<傷ついたお婆さんたちを利用して私腹ばかり肥やしている人たちこそが積弊だ>