マサチューセッツ州にあるウォルマートの店舗ロゴ(写真:AP/アフロ)

 米小売大手ウォルマートが米宅配代行サービス大手のインスタカートと提携し、米国で当日配送サービスを始めると、米経済ニュースのCNBCが8月11日に報じた。ウォルマートは最近、EC(電子商取引)サービスの強化を図っており、業界で圧倒的優位に立つ米アマゾン・ドット・コムに攻勢をかけるという。

カリフォルニア州とオクラホマ州で試験サービス開始

 インスタカートとの提携では、まずカリフォルニア州のロサンゼルスやサンフランシスコ、サンディエゴとオクラホマ州のタルサの計4都市で試験サービスを開始し、食料品や日用品、家電製品などを最短1時間で配達する。

 ウォルマートはその豊富な品ぞろえを迅速配達することで、「Amazon Fresh」や「Prime Now」といったアマゾンのサービスや傘下の高級スーパー、ホールフーズ・マーケットに対抗するという。

 一方のインスタカートはこれまでウォルマート傘下の会員制スーパーのサムズ・クラブや、ディスカウントストアのターゲット、会員制卸売りのコストコ・ホールセール、大手スーパーのクローガーなどとも提携している。新たにウォルマートと組むことで、顧客層の拡大を図るようだ。

カナダのショッピファイと提携、アマゾン対抗の有料会員サービスも

 ウォルマートは近年、ECサービスに力を入れている。昨年のオンライン販売の売上高は前年比37%増となり、目標としていた35%増を上回った。新型コロナウイルスの感染拡大で需要が高まった今年2~4月期は、前年同期比74%増を達成した。