(英エコノミスト誌 2020年8月8日号)

ホワイトハウスの記者会見で、ソーシャル・ディスタンシングなどのルールに全くお構いなしでドナルド・トランプ大統領に質問するOANNのキャメロン・リオン記者(4月1日、写真:ロイター/アフロ)

ドナルド・トランプ大統領の新しいお気に入りチャンネルは、その意図以上に米国のことを明らかにしている。

 ドナルド・トランプ大統領は7月29日、テキサス州の飛行場に降り立ってほどなく、大統領専用機「エアフォースワン」の機内エンターテインメントを批評した。

「FOXニュースが4年前とは全然違うものになったことには目を見張る。とても見られたものではない。誰のおかげで今の地位を築けたのか、連中はすっかり忘れてしまった!」とツイートしたのだ。

 かつて大のお気に入りだったこのケーブルニュース・ネットワークとの関係が悪化していることは、世間の知るところだ。

「2016年にもっとひどいヘマをやらかしたヘイトの連中の世論調査を使っているFOXは、11月3日に共和党議員や私が再選を果たすための援護を何一つしていない」と不満をもらした。

 今年4月のツイートでは「週末の午後にFOXニュースを見るなんて、全くの時間のムダだ」と斬り捨てた。

 だが、幸いなことに「今は、OANNのような立派なオルタナティブ(代わり)がある」のだという。

 立派かどうかはともかく、ワン・アメリカ・ニュース・ネットワーク(OANN)は確かにオルタナティブ(既存の型にはまらない変わり種)だ。

 プリント基板の事業で財をなし、それを譲渡して得たお金をテレビ・ネットワークの経営に投じようと決めたロバート・ヘリング氏が2013年の独立記念日に立ち上げたケーブル・チャンネルで、異次元から届けてくれるニュースが売り物だ。

 例えばOANNは、新型コロナウイルスの深刻さは誇張されていると考えており、ニュース報道でノースカロライナ州の研究所で開発されたのかもしれないと示唆している。

 それだけではない。