第2次朝鮮戦争に備えた在韓米軍だったはずだが・・・

米陸軍大学院戦略研究所の重要性

 ドナルド・トランプ米大統領は、根っからの嫌韓感情(?)と在韓米軍駐留費分担をめぐるソロバン勘定から、ことあるごとに在韓米軍(2万8500人)縮小・撤収を口にしてきた。

 韓国の文在寅大統領を取り巻く左派ナショナリストたちは、「米国の国益やメンツで撤退などできっこない」と高を括っている節があるようだ。

 ところが米陸軍のエリート集団が「在韓米軍はもはや必要なし」と言い出した。

 在韓米軍兵力の大半を占める米陸軍の基幹的シンクタンク、「米陸軍大学院戦略研究所(Army War College, Strantegic Studies Institute)が7月中旬、トランプ氏の主張を軍事戦略的に裏づける報告書(100ページ)を公表した。

『An Army Transformed: USINDOPACOM Hypercompetition and US Army Theater Design(変容する米陸軍:米インド太平洋軍司令部 米中ハイパー軍事競争と陸軍の戦域計画)』(by Strategic Studies Institute, US Army War College, US Army War College Press, 2020, https://publications.armywarcollege.edu/pubs/3731.pdf

 同報告書は現在から2028年までのインド洋太平洋地域におけるアジア軍事情勢を予測、中国の軍事力増強に米軍がどういった戦略を展開すべかを純軍事面から提言している。

 マーク・エスパー国防長官が陸軍長官だった当時に同戦略研に具申し、2年がかりで米国防総省をはじめ陸海空海兵各軍の協力を得て、陸軍所属のエリート15人のチームが研究調査し、検討を重ねてきた。

 チームのメンバーは日本や韓国にも派遣され、日本では陸上自衛隊佐官級*1とも意見交換している。

*1=同報告書には陸上自衛隊の現役1佐(米軍などの大佐に相当)の実名が明記されている。

 同報告書で最も注目される点を要約すると、こうだ。