外国人旅行客で賑わった京都・東山も今は昔(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

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(文:山本一郎、作家、投資家)

「うるせえな、旅行でも行って来いよ」

 ここまで観光業界がコロナウイルス騒ぎでズタボロになると、やはり新たな時代に向け、政策も大きく変わっていかざるを得ないのかな、と強く感じるところです。

 先日、次世代政策基盤研究所(NFI)で災害対策関連の緊急シンポジウムを開いたところ、かなり限定的な話題であるにもかかわらず、同時接続で1000人以上の方々が視聴されました。これは、熊本など九州における洪水被害、あるいは地震や津波、干ばつなどの災害が、もはや「他人事ではない」と多くの人が考えているという証左だと思います。

 しかも、政府が繰り出すコロナ対策が不発に終わったということが徐々に明らかになりつつあります。今後、PCR検査数の拡大でコロナ感染者の広がりが明白になり、「実は、日本はたいしてコロナウイルスに強いわけではなかった」ということが分かれば、いわゆるコロナ第二波で感染者数が増大し、多くの方が亡くなる可能性が今もって十分にあるということが理解されるのではないでしょうか。

 そこに来て、「Go To トラベル」ですよ。今まで「Go To」と言われるとJAIL(牢屋)かHELL(地獄)だと思っていたんですが、普通に「Go To トラベル」と言われると、「強盗トラベル」とか英語の語感として、「うるせえな、旅行でも行って来いよ」みたいなニュアンスを感じてしまいます。いったい誰が「Go To トラベル」キャンペーンなどというしょうもないネーミングをつけたのでしょうか。責任者出てこいと思ったりもします。