(英エコノミスト誌 2020年7月18日号)

北京にあるファーウェイの店舗(7月15日撮影、写真:AP/アフロ)

西側諸国はもはや、中国を全く信用していない。それでも中国企業と取引する方法を見つけなければならない。

 19年前、中国の無名の企業が初めて欧州に進出した。

 フランクフルトの郊外とイングランドのとあるベッドタウンに販売拠点を設け、通信ネットワーク構築の入札に参加し始めた。

 そして今日、華為技術(ファーウェイ)は「中国株式会社」の恐ろしいほどの興隆と、信頼を失ったグローバル通商システムを象徴する存在になっている。

 年商1230億ドル(約13兆1000億円)の大企業となった同社は、カミソリのように切れ味の鋭い価格設定と、中国の支配者が産業面で掲げた目標への献身で知られる。

 2018年以降は米国から法的な攻撃を仕掛けられ、貿易戦争の発火点になった。

 今度は英国が、ファーウェイを第5世代移動通信システム(5G)のネットワーク構築から排除すると発表した。ほかの欧州諸国も追随する可能性がある。

 しかし、こうした動きは西側諸国の決意を示すどころか、一貫した戦略の欠如がかえって露呈する結果になっている。

 もし、経済の開かれた国々と権威主義の中国が経済的なつながりを維持し、無秩序への転落を回避したいのであれば、新しい通商秩序が必要になる。

 米国の安全保障部門の責任者たちは長年、ファーウェイ製の機器はスパイ活動を支援する設計になっているのではないか、補助金のせいで安く手に入る中国の技術に消費者が依存してしまうのではないかと懸念してきた。