(英エコノミスト誌 2020年7月11日号)

新型コロナウイルス感染症のパンデミックからいかに立ち直り経済回復できるか。それは各国の抱える事情や産業構造によってまちまちだ

本誌エコノミストの分析で、消費者心理がいかに脆弱になりうるかが浮き彫りになった。

 英国ブリテン島の東海岸に位置するオーフォード・ネスは、20世紀に軍事兵器の実験場として使われた土地だ。

 海岸線に沿って作られ、今でもそこに建っている巨大な実験棟(その形から「パゴダ」と呼ばれる)の数々は、この地を取り囲む湿地帯に爆風の悪影響が及ぶのを防ぐように設計されたものだ。

 今年7月4日、この地域は別の種類の「爆発」に備えていた。

 ロックダウン(都市封鎖)の開始以降で初めてパブやレストランが店を開ける「スーパー・サタデー」だったからだ。

 しかし、オーフォードのビール爆弾は不発に終わった。

 桟橋の近くのパブ「ジョリー・セーラー」に陣取った客の数は、片手で数えられるほどだった。

 実は英国中が同じ状況に見舞われた。レストランの予約は前年同期の実績を90%も下回っていた。

 ジョリー・セーラーの惨状は、裕福な国々がロックダウンを解除する時にどんな困難に直面するかを示唆している。

 経済予測担当者のほとんどは、先進国の国内総生産(GDP)は2020年上半期に急減した後、2021年以降のいずれかの時点で危機以前の水準を回復する公算が大きいと考えている。