島国根性という言葉を、これほど強く感じたことはありませんでした。

 テレビを見ない私ですが、それでも聞こえてくる報道の可笑しさ加減、大本営発表をそのまま垂れ流した1940年代も、「こんなのだったのだろうな」と思います。

 例えば「第2波」とかいうおかしな言葉。冒頭のグラフを見て、ちょっと考えてみてください。

 青いラインはデコボコしながら増減を繰り返しますが、挙動全体は右肩上がりで増加しています。

 この小さな山の一つひとつを「第1波」「第2波」という人は、まともな視点、このグラフを遠目に眺めて、視力なども普通の人であれば、一人もいないでしょう。

 お察しと思いますが、青いラインは先月から今月、つまり2020年6月1日から7月10日まで、全世界で毎日確認されている「日ごとの新型コロナウイルス感染者数」の推移で、世界のデータを単純に足し合わせたもの。

 日本の怪しげな数字も混ざっていますが、統計的に相対誤差が小さくなり、あまり利いてきません。

 ポコポコした上下動は何かとみてみると、周期が7日程度で、つまり1週間の平日休日によって感染確認数が変わるので、ほぼ定期的に上下動している。

 これは、検査の実施や役所のとりまとめという、社会的な理由、人為的な要因での変化であると考えられ、データの真の挙動、つまり感染者数が本当にどれだけ増えたかという本質とは無関係であることが分かります。

 こういうノイズをアーティファクトと呼びます。「測定誤差」ですね。