(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年7月8日付)

11月の米大統領選の行方が世界に及ぼす影響はかつてないほど大きい

 新型コロナウイルス感染症「COVID-19」は、少なくとも今のところは、世界を一変させていない。

 だが、技術的、社会的、政治的な進展を加速させた。国際関係においては、これが驚くほど当てはまる。

 中国と西側諸国との分裂と、西側世界を率いる米国のリーダーシップの欠如は、どちらも一段と深まった。

 西側主導の世界秩序は危機的状況にある。もし米国がドナルド・トランプ大統領を再選すれば、これが末期的になるだろう。

 中国は徐々に自己主張を強めている。ウイグル族に対する残酷な扱いや新たに制定された香港国家安全維持法に見られるように、人権に関する西側の道義に何の敬意も払わない。

「終身皇帝」たる習近平国家主席の指揮下で、超大国、そして専制国家としての中国の地位の宣言が完了した。

「才能を隠し、時機を待ち、決して先導するな」という鄧小平の有名な助言が放棄されたことは、はっきりしている。

 それでも、すべての世界的課題に取り組むうえで、中国はパートナーにもならなければならない。

 中国を相手に影響力を争う競争では、西側には貴重な資産がある。