(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年6月30日付)

ポピュリズムが終焉を迎えてくれる可能性が出てきた

 ポピュリスト(大衆迎合主義者)は不人気になることを嫌う。

 新型コロナウイルスへの対応がこれほどお粗末だったのは、このためだ。何しろ、これは死や経済的破壊、自由の抑制など、悪いニュースしかもたらさない危機だ。

 米国のドナルド・トランプ大統領とブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領は西側世界で最も顕著なポピュリストの指導者だ。

 両氏のコロナウイルス対応がもたらした悲惨な結果が、今はっきり見えてきた。ブラジルでは6月下旬、コロナ感染による死者数が5万人を突破した。

 死者が5万人を超えるのは米国に続いて世界で2カ国目だ。

現実を直視できない致命的な欠陥

 トランプ・ボルソナロ流のコロナ対応の顕著な特徴は、現実を直視できない致命的な欠陥だ。

 トランプ氏は1月、2月から3月半ばまで、事実上ウイルスを無視した。いろいろな場面でコロナが魔法のように消えると言い、消毒薬の注射が良い治療になるかもしれないと言ってのけたりした。

 新規感染者と死者が急増し続けるなか、トランプ氏が思いついた最新の妙案は、米国は検査をやめるべきだと主張することだった。ただ無視さえすれば、現実が消えてくれると期待してのことだ。

 ボルソナロ氏はもっと目立って無責任だった。

 新型コロナウイルス感染症「COVID-19」はただの風邪だとして片づけ、ロックダウン(都市封鎖)に抗議するデモで自ら演説し、保健相を2人解任した。