将来的には、人口が激減しているシベリア地方が経済成長の機会を提供してくれる。

 プーチン氏がウクライナや中東に手を出したことはおまけみたいなもので、米国の関心を東アジアにおける中国の領土拡張主義からそらしてくれた。

ロシアのリスクとなる中国

 このように不平等なパートナーシップがロシアにどんな利点をもたらすかは、それほど明確ではない。

 確かに、西側の自由主義への批判に同調してくれる戦友ができることにはなるが、ロシアはその対価として、中国の「一帯一路」構想が中央アジアにおけるロシアの影響力を低下させていく様子を、指をくわえて見ていなければならない。

 また、欧州に向けて北極海航路を開くことを計画している習氏の目論見も、北極圏におけるロシアの利益を損なう恐れがある。

 中国による中欧・東欧での影響力強化に拡張主義の視点があることも、戦略的な封じ込めに遭うとの懸念を強めることになるだろう。

 プーチン氏はソビエト連邦国家保安委員会(KGB)の出身だ。自らの郷愁から逃れるにはもう遅すぎるのかもしれない。

 しかし、さらに15年間権力を保持しようと計画しているのなら、少し時間を取って戦略の現状把握に努めてみるといいだろう。難題とリスクは、ロシアの東方にある。

By Philip Stephens
 
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