従って、米国のバラク・オバマ前大統領から、ロシアは「地域大国」に転落したとさりげなく侮辱されたことには、これ以上ないほど感情を傷つけられた。

 これに対してロシア政府が出した答えは、体裁を取り繕うために戦略的な利益を犠牲にすることだった。

 そして言葉に出さない対価が、中国の格下のパートナーという役目に甘んじることだった。

投票の結果は最初から決まっている

 ロシア政府は6月24日、新型コロナウイルス感染症「COVID-19」のパンデミックをものともせず、延期されていた対ナチス・ドイツ戦勝75周年記念行事を挙行した。

 モスクワ市街での軍事パレードも実施した。そしてこの数日後には、プーチン氏が2036年まで大統領職にとどまることを可能にする憲法改正の是非を問う全国投票が行われる。

 ロシアでのほかの投票と同様に、その結果は初めから決まっている。

 しかし、プーチン氏がお約束通りに勝利を果たしても、ロシアが今後たどっていく軌道については何も明らかにならない。

 このロシアのリーダーは最初の20年間を、西側諸国との騒々しい争いに費やしてきた。

 プーチン氏の世界観は冷戦と、ソビエト連邦が西側から受けたとされる屈辱によって形成されていた。