(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年6月24日付)

ニューヨーク証券取引所

 米国株のベンチマークであるS&P500種株価指数をぱっと見た限り、新型コロナウイルスにもかかわらず、世の中は万事順調だ。

 指数は3カ月前の暴落から大きく反発している。

 当時、資産価格は2008年の金融危機より何倍も規模が大きく、何倍ものペースで進展するショックを消化するのに苦労し、歴史的な規模の相場暴落を生み出した。

 それが今、S&P500は年初の起点を3.5%下回っているだけだ。

 ファンドマネジャーは相場の反発を尊重することを学んだ。

 また、過去数十年間の経験は、自由にお金を使う中央銀行、とりわけ米連邦準備理事会(FRB)を相手に戦うことが時間と労力の無駄だということを教えてくれた。

 かくして市場には楽観論が渦巻いている。

 市場の小さな一角はこれをさらに推し進め、慎重さを一切振り払っている。個人投資家の株式売買の熱狂にふけっている向きは特にそうだ。

「最高指導者」の仰天動画

 6月19日、個人トレーダーの「最高指導者」と評されるデイブ・ポートノイ氏が単語ゲーム「スクラブル」の袋から一つずつタイルを選び、出てきた文字を使ってどの銘柄を買うかを決める様子を自ら撮影した動画が出回った。

「T、R、X・・・レイセオンに決まり・・・この会社について何も知らない。はい終わり。レイセオンを20万・・・はい終わり」

 こう宣言するとポートノイ氏はキーボードに文字を打ち込み、レイセオン株を20万ドル買ったと言った。同氏が大勢のファンに語りかけたところでは、株価はひたすら上昇するものだ。