(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年6月12日付)

米ペンシルベニア州フィラデルフィアの討論会に出席したジョー・バイデン大統領候補(6月11日、写真:AP/アフロ)

 予言するわけではないが、時には、伝えられるニュースが明るくなっていくのを想像することも役に立つ。

 今年の夏以降に目を向けると、世の中の流れを一気に変える可能性を秘めた材料が2つ視界に入ってくる。

 第1に、新型コロナウイルス感染症「COVID-19」のワクチンや治療法が開発されれば、パンデミックから抜け出す道が見えてくるかもしれないと科学者たちは話している。

 第2の可能性については、筆者の友人のうち、外交政策の世界に身を置く人々は沈黙を守っている。大きな声では言えないが、米国が新しい大統領を選ぶかもしれないのだ。

明るいニュースの兆し

 世界の大部分がロックダウン(都市封鎖)から抜け出しつつあるものの、COVID-19を永久に抑制できることがもっと確実になるまでは、経済活動の再開はためらいがちに行われ、回復もまだら模様であり続けるだろう。

 目先危険なのは、従来通りの生活への回帰に少しでも近いことを行えば、感染の第2波が秋に襲来する先触れになってしまうことだ。

 疫学者は、ある程度の感染再拡大は避けられないと考えている。

 問題は、その規模だ。不確実性が残る限り、企業は景気の力強い回復に欠かせない大規模投資を控えるだろう。

 景気の持続的な回復に欠かせないのが、マインドの改善だ。

 ワクチンが出てくれば――あるいは、それが例えば1年以内にできるという確かな見込みがあれば――、将来のリスクが取り除かれ、今後の見通しが様変わりするはずだ。