現時点では民主党のバイデン候補が有利だが、バイデン不安説も根強い

 米国内の主要ニュースはいま、新型コロナウイルス感染症の猛威と白人警察官によるジョージ・フロイドさん殺害事件をきっかけにした黒人差別の抗議運動の2つに集約されている。

 そのため、本来であれば大統領選が大きく報道されている時節だが、影に隠れている。

 当初の予定では、6月5日に全州で予備選は終了していたはずだが、まだ終わっていない。コロナの影響で延期された州が複数あるため、最後のコネチカット州の予備選(8月11日)まで続く。

 それでもすでに共和党ではドナルド・トランプ大統領が、また民主党ではジョー・バイデン候補が夏の党大会で代表に指名されるだけの代議員数を獲得している。

 現時点でトランプ大統領の支持率は低迷しており、再選への黄信号が灯っている。

 直近の各種世論調査の数字は軒並み50%を下回る。ラスムッセン・リポートとエコノミスト誌は43%、ロイターは42%、ギャラップは39%など、50%に手が届いていない。

 さらに「トランプ対バイデン」の調査結果でも、トランプ氏は不利な立場にある。

 CNNは55%対41%でバイデン氏有利。NBCニュースとウォールストリート・ジャーナルの共同調査でも49%対42%でバイデン氏がリード。その他の調査でもほぼバイデン氏が優位に立っている。

 だが、11月の選挙まではまだ5か月ほどあり、現時点での数字はあくまで参考でしかない。