(写真はイメージです/写真AC)

 外国から流れ着くたくさんのペットボトル。生き物にからみつく漁網。砂のように細かく砕けたマイクロプラスチック・・・いま、海のプラスチックごみが大きくクローズアップされている。海洋プラスチックは一体どこが問題なのか、科学で何が明らかになっているのか。サイエンスライターの保坂直紀氏が海洋プラスチック問題の最前線を追った。(JBpress)

◎本記事は『海洋プラスチック 永遠のごみの行方』(保坂直紀著、角川新書)の一部を抜粋・再編集したものです。 

そのままではなくならないプラスチックごみ

 国連環境計画(UNEP)が2018年に公表した報告書「シングルユース・プラスチック」によると、容器や包装として使われるプラスチックを、日本で暮らすわたしたちは大量に捨てている。国民ひとりあたり年間およそ35キログラムにもなり、米国民に次いで世界第2位だ。ひとりが毎日100グラムを使い捨てていることになる。

 海にも川にもプラスチックごみはあふれている。最大の問題点は、こうして自然界に出てしまったプラスチックごみは、そのままではなくならいことだ。いつまでもプラスチックごみのままなのだ。