この都市の制度を操作しようとあれこれ努力してきたのに、「色の革命」になれば民主派に権力を握られかねないと見ているのだ。

 同党の実力者たちは、香港の自由を損なうことが経済的な打撃をもたらすことになってもかまわないと思っている。

 確かに、外国から資本を調達したい中国企業にとって、香港は依然重要な場所だ。米中対立によってニューヨークでの調達が難しくなり、リスクも高まっている現状では特にそうだ。

 しかし、香港の域内総生産(GDP)は中国本土のそれの3%にすぎず、1997年の18%超から大きく低下した。この20年あまりで本土の経済規模が15倍に拡大したからだ。

 中国に指導者層は、多国籍企業も大手銀行も巨大な中国市場に近いという理由だけで香港にとどまると見込んでいる。恐らく、その通りだろう。

 ドナルド・トランプ大統領が米中対立の固定化というシンプルな捉え方をしていることも、中国の支配者たちにとっては好都合だ。

 中国共産党は、バランス・オブ・パワー(勢力の釣り合い)が中国にとって有利な方に傾きつつあると見ている。

 トランプ氏の侮辱にあおられて中国のナショナリストは立腹し、共産党はこれを喜んで利用している(米国とその同盟国との間で緊張が高まる時も同様だ)。

 また、香港の民主化要求運動についても、米国が影で仕組んだものだとしている。馬鹿げた話だが、香港の抗議活動の参加者を軽蔑する人が中国本土に多いのはこの描写のせいでもある。