習近平国家主席の指揮下で、中国はこの見え透いた嘘に飽きてしまったようで、最近では容赦ない脅しをますますかけるようになっている。

 恐らく、今年1月の台湾総統選挙で中国に懐疑的な蔡英文氏が再選されたことを受け、中国の指導者層は、平和的な再統一の可能性がほとんどなくなったと判断したのだろう。

 指導部の方針を追認するだけの議会「全国人民代表大会(全人代)」の冒頭の報告で、李克強首相が台湾の「再統一」に言及する時には、「平和的な」という形容詞を付けるのがこれまでの慣例だったが、不気味なことに今年5月22日の報告ではその「平和的な」が削られた。

 中国は台湾周辺での軍事演習を拡大させており、中国のナショナリストたちは、侵攻せよなどとオンラインの世界で騒ぎ立てている。

 中国は、ほかの国々ともとげとげしい関係になっている。南シナ海の島々での要塞建設にあたっては、国際法も規模の小さな近隣諸国の主張も無視している。

 5月末には数百人、ひょっとしたら数千人の中国兵が、ヒマラヤ山脈にあるインドと係争中の国境線を越えた。

 両国の小競り合いは日常茶飯事になっているとはいえ、今回の侵入は、核保有国でもある隣国インドが自分のものだと主張している土地について中国の国有新聞が新たに領有権を主張した中で始まった。

 しかも、こうした一連の動きの背景には、中国と米国との関係が過去数十年間で最も悪化し、貿易から投資、科学面での協力に至るありとあらゆるものを損なっているという憂鬱な状況がある。

 香港における武力の誇示に世界がいくら慄然としようとも、中国共産党にしてみれば、これは理にかなった行動だ。同党は香港で「色の革命」を食い止めたいと思っている。