システム運用業務の一部を自動化する「オペレーションセンター自動化支援ソリューション」の提供を開始したフィックスポイントの三角正樹代表取締役(フィックスポイント提供)

 リモートワーク推進の広がりで「出社」の必要性が見直されているが、情報システムを運用・保守する業務だけは取り残され、出社せざるを得ない形になっている。システムの運用・保守業務は基本的に、サーバーやネットワーク機器が置かれている場所や、入退室が厳重に管理された場所にいなければ操作ができないようになっているためだ。

 その課題を解決するため、システム運用の自動化サービスを提供するフィックスポイントは、運用業務の一部を自動化する「オペレーションセンター自動化支援ソリューション」の提供を開始した。ここでの「オペレーションセンター」は、システムの運用・保守を行うエンジニアが実際に業務を行う場所を指す。システム運用業務でもリモートワークを導入できるようにするのが目標で、同社は「オペレーションセンター出社ゼロ構想」と呼んでいる。

 自動化の対象となるのは次のような業務だ。①障害対応(サーバー監視、障害検知、エスカレーション、状況調査、障害対応、レポートなど)、②セキュリティ対応(不正侵入/マルウェア検知、エスカレーション、状況調査、ネットワーク遮断などの対応、レポートなど)、③構築/設定変更(ユーザー環境の構築・削除、アカウントの追加・削除、アクセスポリシー変更など)。

 もちろんシステム運用を自動化する目的は、リモートワークの導入だけではない。現状では人手に頼ることが多い運用業務を自動化することによって、業務量、オペレーションミス、夜間対応などの削減が期待できる。

既存の監視ツールなどと連動できる

 フィックスポイントの「オペレーションセンター自動化支援ソリューション」を利用すると、「業務の6割から7割を自動化することで、常勤人数を少なくできる」(同社の三角正樹代表取締役)という。具体的には、運用自動化ツール「Kompira enterprise」と、運用業務の汎用的な機能を備えたクラウドサービス「Kompira cloud」を使用する。

 Kompira enterpriseは、企業がすでに導入済みのシステム監視ツールや運用管理ツールと連動できる。たとえば、システム障害発生時の業務処理の流れをKompira enterpriseに登録しておけば、監視ツールが障害を検知して発信したアラートメールをKompira enterpriseが受信し、障害内容の確認、稼働状況のログ収集、障害復旧コマンドの自動実行などを行う。

 社員の入退社や異動による仮想デスクトップ環境(VDI)の構築や削除、ユーザーごとのシステム利用権限の設定・変更も自動化できる。社員からのVDIの利用申請を上長がワーフクローシステムで承認すると、Kompira enterpriseが業務を引き継いで、自動的にVDIの環境を構築して、申請者にアクセス権を付与できる。