(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年5月21日付)

ドイツ・フランクフルトにあるドイツ銀行本店の側にある信号機(3月10日、写真:picture alliance/アフロ)

 ドナルド・トランプ氏とドイツ銀行との関係は、同氏のどの結婚よりも長く続いており、どの結婚よりも分厚い秘密のベールに覆われている。

 そして今、米国の連邦最高裁判所が、米国大統領とドイツの銀行最大手とのつながりに光を当てるべきか否かを検討している。

 ニューヨーク・マンハッタンの検察当局と首都ワシントンの連邦議会議員たちが、トランプ氏とその家族、そしてその傘下の企業に関係する税務・財務資料の提出を求めている。

 トランプ氏はこれを阻止するために提訴している。

 トランプ氏の財務状況が垣間見えることになるかもしれないため、判断が下される数週間後には相応の関心が集まることになる。

 米国人はまだ、大統領の所得税申告書を見せてもらっていない。大統領は公開すると何年も前に約束したのに、まだ果たしていないのだ。

 信頼できるデータがないために、トランプ氏は本当に大金持ちなのか、同氏の事業は公明正大に行われているのかについて、様々な憶測が世間で飛び交っている。

 しかし、もし連邦最高裁が、連邦議会が要求している大量の書類の提出をドイツ銀行に命じれば――同行の信用リスク委員会や評判リスク委員会の議事録から、「1万ドル以上の国内外へのあらゆる送金取引に関連する」トランプ氏のファイルまで――、その資料はドイツ銀行自体についても多くを語るだろう。

 ドイツ銀行はどんなリスクを取ったのか。無謀なトレーディングや不正会計疑惑、そして不適切な経営などで揺れたここ数年間を経て、同行は本当に変わったのだろうか――。