(英エコノミスト誌 2020年5月23日号)

ロックダウンは貧困層の生活を破壊する危険性がある(写真はインド)

都市の封鎖は切れ味の悪い刃物のようで、大きな弊害をもたらす。もっときめ細かい施策を取るべき時が来た。

 中国が武漢市をロックダウン(閉鎖)した1月23日以降、世界の人口の3分の1以上が少なくとも1度は自宅に閉じ込められた。

 これほどまでにわずかな準備や議論で、そしてこれほどまでに広い範囲で実施された政策は、すぐには思い浮かばない。

 しかし、今回の社会の閉鎖は、考え抜かれた対応策というよりはむしろ、切羽詰まった時の窮余の策だった。

 この対応のおかげでパンデミックは減速したが、大変な犠牲を払うことになった。

 ロックダウンを解除し、過去のものにしようとしている各国政府は、次にやってくる事態の費用と便益について十分に考えていない。

 ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)はまだ数カ月、あるいは数年続けなければならないかもしれないが、ロックダウンは一時的な措置にしかなり得ない。

 非常に高くつく施策であること、貧しい国々では特にそうであることが明らかになりつつあるからだ。

 代償の一部は経済的なコストだ。

 米ゴールドマン・サックスは先日、インドの第2四半期の国内総生産(GDP)が前期比年率45%の減少となり、ロックダウンが解除されれば第3四半期に反発して20%増加すると予想した。