(写真:アフロ)

 球児たちの“夏”も消えてしまった。日本高校野球連盟と朝日新聞社は20日、新型コロナウイルスの影響で第102回全国高校野球選手権大会(8月10日開幕・甲子園)と代表49校を決める地方大会の戦後初となる中止を発表した。

 今春のセンバツに続き、夏の甲子園・全国大会が中止となるのは史上初。Web上でもリアルタイムで一般公開されたオンライン会見に臨んだ大会会長の渡辺雅隆・朝日新聞社社長は「本当に悔しい思いだ」と述べ、日本高野連の八田英二会長も「断腸の思い」であることを強調した。

ギリギリまで開催の方向を模索していたが

 会見でも明かされたように主催者側はどうにかして大会を開催する方向で模索していた。しかし前回の記事でも触れたように、現実的には大会開催を強行すれば数々の問題に直面することも浮かび上がり、大きなネックになった。

(参考記事)夏の甲子園、開催阻む「コロナ」と「猛暑」「妬み」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60523

 急展開の末に先週半ば過ぎにはほぼ中止として意見がまとまりつつあったとみられ、その流れを確実に固めたい一部の慎重派勢力が今大会主催者側の朝日新聞社、センバツを主催する毎日新聞社に反旗を翻す意味で両社のグループではないメディアにあえて情報をリークし、正式発表前となる15日早朝3時の時点で世に出させたとの怪情報もある。真相はどうあれ、正式発表の5日前に早々と「中止の方向で最終調整に入っている」と突発的に報じられた“奇妙なスクープ”は結果として、その通りになった。