2020年、「夏の甲子園」は見れないのか(写真:アフロ)

 果たして夏の甲子園はどうなるのか——。

 第102回全国高校野球選手権大会(8月10日開幕・甲子園球場)の開催可否について日本高校野球連盟は5月20日の第2回運営委員会で方向性を示すつもりだ。

 新型コロナウイルスの感染者が減少傾向にあり、全国に発令されていた緊急事態宣言も8都道府県を除いて軒並み解除される見通しとなったこともあって大会主催者である高野連、朝日新聞社は何とか開催へと漕ぎ着けたいところだろう。もちろん開催するとなれば無観客が絶対条件だ。しかし周辺を取り巻く現状は極めて厳しい。

炎天下でマスク着用なら熱中症の危険性

 すでに大会出場権をかけた各地方大会の開催にも影響が出始めている。全国で最も早く6月20日から地方大会の開催を予定していた沖縄高野連は7月以降に延期することを決定。感染拡大の影響で各学校は休校を強いられており、部活動も停止に追い込まれているため諸事情を鑑みて結論を下したという。この沖縄大会も未発表とはいえ、当然ながら無観客での開催が内定している。

 沖縄以外の全国の野球部も一部の私立強豪校を除き、その大半はまともな練習ができていないのが現状だ。

 仮に今月末までに全国すべての地域で緊急事態宣言が解除となり、部活動の再開が認められるようになったとしても、選手たちは段階を踏んでチームプレーなどの練習を積み上げて行かなければいけない。各地域で地方大会が行われることになったとしても調整のための時間は僅かしかなく限られている。

 このような状況下で地方大会を強行開催してもフェアな戦いは望めず、ましてや本番まで急ピッチの調整を行わなければならないとなるとケガ人を生んでしまう危険性も出てくるだろう。

 ましてや、これほどタイトなスケジュールの中で大会運営側、そして参加する学校側も感染防止に最善を尽くさなければならない。誰か1人でも感染者が出れば、その瞬間に大会の開催は「アウト」だ。