*写真はイメージ

 新型コロナウイルスの流行による「緊急事態宣言」は13都道府県が対象となり、日常生活の多くで「不要不急」の行動自粛が求められている。このことは同時に、現在、過剰な負担が強いられている医療現場への配慮もあって、「不要不急」の通院についても自粛が求められる事態となっている。

 これに当惑しているのが、がん患者だ。すでに、がん患者のさまざまな診察や治療が延期されはじめているのだが、そのことで治療中や経過観察中のがん患者やその家族らに不安が広がっているのだ。

 4月21日、一般社団法人Cancer X主催による「新型コロナ感染症の拡大を受け、がん患者・家族が知りたいこと」と題したオンラインセッションが開催された。医療従事者など7名が登壇し、患者や家族など当事者、医療従事者、企業や行政関係者などの質問に答えながら、コロナ禍での情報と対策を話し合った。

登壇者の医師のほか、患者や家族なども多数参加したCancerXのオンラインセッション

 がん患者やその家族などにとって、多くの示唆を与えてくれる内容だったので、その一部を紹介したい。

がん患者の感染リスクと重症化リスクは高いのか

 コロナウイルス感染により亡くなった女優の岡江久美子さんが、昨年末に乳がんの手術、そして今年2月まで放射線治療を受けていたことが報じられた。岡江さんが発熱を訴えてから重症化するまでの期間が短かったことから、放射線治療の影響で免疫力が低下していたことが、感染と重症化のペースが速かった原因ではないかという不安が広がっているが、4月25日に公益社団法人 日本放射線腫瘍学会が「早期乳がん手術後に行われる放射線治療は、体への侵襲が少なく、免疫機能の低下はほとんどありません」という声明を発表した。

(参考)https://www.jastro.or.jp/customer/news/20200425.pdf