(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年4月24日付)

英国のボリス・ジョンソン首相が入院してたセント・トーマス病院を警備する警官(4月9日、写真:AP/アフロ)

 新型コロナウイルス感染症「COVID-19」への英国の対応について、いずれ国家的な調査が行われることは避けられない。

 その報告書で最初にやり玉に挙げられるのは、初動段階でパンデミック抑止に向けて果断に行動できなかったことだろう。

 英国の官庁街ホワイトホールでは、職員の一部がこれを、出足でつまずいたとか、ちょっと躊躇したなどと表現している。

 向こう見ずなほどの油断について語る向きもある。さらにはもっと端的に、ボリス・ジョンソン首相は悪い知らせへの対応がうまくないとの指摘も出ている。

 英国での感染拡大は、ほとんどの欧州諸国よりも遅く始まった。

 しかし、イタリアその他の国々から教訓が得られたにもかかわらず、米国を除けば死亡者数が世界でも最悪の部類に入る。

 物資の調達・配分の管理に失敗したことが、人工呼吸器や検査の実施態勢、個人防護具といった重要な資源の確保に動かなかった政治のミスをさらに深刻なものとした。

 ホワイトホールのある古参に言わせれば、いずれ行われる事後検証では「血を見る」ことになるという。

 閣僚やその側近たちはすでに、英国公衆衛生庁(PHE)などの機関や役所に密かに責任を転嫁しつつある。事態が急速に展開していたのに対応が遅かった、というわけだ。