金正恩氏にもしものことがあれば、妹の金与正氏が後継者となる可能性も高い(2019年3月2日、ベトナムのハノイで、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 金正恩氏の生命に関わる事態が発生したのではないかとの観測が流れている。4月25日には、北京/ソウル発のロイター電は次のように伝えている。

「中国は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長についての助言を行うため、医療専門家や高官を北朝鮮に送った」

「事情に詳しい3人の関係者がロイターに明らかにした。2人の関係者によると、中国共産党中央対外連絡部のメンバーが率いる代表団は23日、北朝鮮に向けて北京を出発した」

「中央対外連絡部からのコメントは得られていない。中国外務省もコメントに応じていない」

 このような事態に、4月24日のNHKニュースは「米韓空軍が合同訓練 北朝鮮の反発も予想」というタイトルで、要旨を次のように伝えている。

「韓国軍とアメリカ軍が、去年から延期されていた空軍による合同訓練を、24日まで5日間の日程で行っていることが分かり、北朝鮮の反発も予想されます」

「韓国軍の関係者が24日、NHKの取材に明らかにしたところによりますと、韓国軍はアメリカ軍とともに、空軍による合同訓練を今月20日から24日までの5日間の日程で行っているということです」

「これに関連して、韓国の通信社・聯合ニュースは、韓国軍からF15K戦闘機とKF16戦闘機が、アメリカ軍からはF16戦闘機などが参加していると伝えています」

 このような事態に、合同訓練を行う米韓の意図は奈辺にあるのだろうか。

 第1の目的は、北朝鮮の不測事態(金正恩氏の死亡とそれに伴う混乱)に対する備えであろう。