*写真はイメージ

 緊急事態宣言が発令されて以降、繁華街から人が消えた。ところが地元の商店街、スーパー、公園には人がびっしり。自宅待機の人々が家族連れで買い物したり、散歩したりして、逆に密集を作り出している。

 仲が良いのはいいことだが、危険は避けたい。

 みんなで楽しむなら、家で一緒に映画を観るのはどうだろう。立場の違う人が一緒に映画を観ると、同じ作品でもそれぞれ違う感想になる。例えば、世界中で大ブームになった『アナと雪の女王』。王家の姉妹が真実の愛に気づく物語だが、姉妹で観てみると、姉には「妹アナの行動って自分勝手(だけど、自由でうらやましい)」、妹からすると「姉エルザって、いい子ぶって(いつもちゃんとしていて、かなわないな)」と思えたりするのだ。

 せっかく、家族が揃っているなら、みんなでホームドラマを観てみては? お父さんだからこそわかる、お父さんの気持ちがあるだろう。お母さんに伝えたい思いを主人公が代弁してくれるかもしれない。なかなか口にできない言葉だって、映画を観た後なら、すんなり話せることもあるはず。

 今回は実話が基になっている家族の映画を5本紹介。反抗期の子どもたちにも、「こんなの嘘だよ」とは絶対に言わせない。Amazonプライム・ビデオやNetflix、U-NEXT、Huluなどで視聴することができる作品もあるので、サービスを利用している人なら、いますぐ自宅で観ることができる。

闘病中のお母さんが幼い娘に託した願い

『はなちゃんのみそ汁』

『はなちゃんのみそ汁』は33歳でこの世を去った安武千恵さんが、がんの闘病をしながら、娘と夫と過ごした日々を綴ったブログを書籍化したベストセラーが原作。

 25歳で乳がんと診断された千恵さんは治療を乗り越え結婚。娘はなちゃんを授かるもがんが再発してしまう。さまざまな治療を試し、生き続けたいと願う一方、もし自分が死んでも娘が困らないようにとまだ4歳の娘にみそ汁作りを教え始める。

 甘えたい盛りのはなちゃんに、鰹節を削らせ、包丁や火も使わせるお母さん。何もそこまでと思えてくるが、「食べることは生きること。1人でも生きられる力を身につけてほしい」というお母さんのメッセージはお母さんが亡くなってからもはなちゃんのなかに生き続ける。お母さんの願い。はなちゃんの思い。そして、黙って見守るお父さん。それぞれの気持ちが痛いほどわかって、涙が止まらない。