韓国の総選挙で大勝し、マスク姿で登場した李洛淵・前首相(4月16日、写真:Lee Jae-Won/アフロ)

 2020年4月15日に投開票された韓国の国会議員選挙(総選挙)で、政権与党が予想を上回る圧勝をした。

 財閥は警戒感を強め、次期大統領選でも与党有利との声が早くも上がっている。

 だが、選挙結果も、先行きも、新型コロナウイルスがどう収まるのか、経済への影響がどの程度かにかかっている。

 選挙の結果を整理すると、300議席のうち、与党である共に民主党と、比例政党である共に市民党が合わせて180議席、野党である未来統合党と比例政党である未来自由党が103議席、左派政党の正義党6議席、中道の国民の党3議席、与党に近い開かれた民主党3議席、無所属5議席だった。

全議席の6割を占める圧勝

 与党が、全議席の60%を占める圧勝だった。

 今回の総選挙で注目を集めたのが投票率の高さだった。4月10、11日に実施された事前投票ですでに有権者の26%が投票した。

 選挙当日と合わせた投票率は66.2%で、2000年以降の総選挙では最高投票率だった。

 総選挙の投票率は、2016年58%、2012年54%、2008年46%だったから、今回は突出して高かった。

 ちなみに16年前の2004年も60%を超えたが、この時は、廬武鉉(ノ・ムヒョン)大統領(当時)の弾劾騒動があり、一気に投票率が跳ね上がった。

 今回の選挙結果に大きな影響を与えたのは、何といっても新型コロナウイルスの流行だった。