帝政ロシア時代に原油生産が始まった、世界初の商業油田「バクー陸上鉱区」

プロローグ
OPEC+協調減産合意

 このリポートは、2020年3月28日に発表した「コロナ禍の裏で原油価格大暴落 その原因と行方(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59920)」の続編になります。

 筆者は前編の結論として、「油価下落戦争は産油国間の“チキンゲーム”であり、このゲームに勝者はいません(中略)。今回の油価暴落は露・米・サウジアラビアにとりロス・ロス・ロスの三方損の関係になるので、筆者は早晩手打ちすると予測しています」と述べました。

 そして、現実はその通りに進展しました。

業界用語の説明

樽(barrel)の略はなぜ“bbl”?

 石油関連のリポートには業界用語がよくでてきますので、まず簡単にご説明させていただきます。

 毎回出てくる単位bd (barrel per day)は1日当たりの原油生産量(バレル)です。

 mbd (million barrel per day)は1日当たりの原油生産量(100万バレル)になります。

「バレル」とは樽ですが、体積は約159リットルです。なぜ約159リットルという中途半端な量になるのかと申せば、1バレルは米42ガロン(英35ガロン)に設定されているからです。

 米国では石油時代の黎明期、原油を樫の樽(barrel)に入れて輸送・販売していたので、一樽幾ら(US$/barrel)という売り方になりました。

 しかし樽はbarrelですから、もし略語を使うとすれば“bl”になるはずですが、実際にはUS$/bblと表示されます。なぜでしょうか?