厳重な検疫体制の下で行われた韓国の総選挙期日前投票(4月11日、写真:ロイター/アフロ)

 世界中が新型コロナウイルスの流行と戦う中、韓国の政界では激しいもう一つの戦いが続いている。

 4月15日に、4年に1度の国会議員選挙(総選挙)が実施されるのだ。厳重防疫の中、事前投票は過去最高の投票を記録した。

「本当に選挙を実施できるのか?」

 韓国東南部の大邱(テグ)で新興宗教団体での集団感染が発生して、その対応に追われていた2月半ばから3月前半の頃、韓国内では「総選挙延期論」が一部で出ていた。

一時は選挙延期論も

 今の国会議員の任期は5月末まで。法律上は、大統領が判断すれば投票日の変更は可能だ。

 その後、韓国の防疫当局の必至の対策で、全国での新規感染者数は4月第2週に入って50人を下回る水準に下がっている。4月12日の新規感染者数は25人だった。

 韓国のニュースを見ていても、連日大半の時間が新型コロナ関連だったが、ここ1週間以上は、総選挙についての報道が急増している。

「パンデミック」で世界では、フランスの統一地方選挙決選投票の延期など、各種の選挙を延期する例が増えている。

 都市封鎖を実施している状態では、とても投票どころではないのだ。

 こうした中で、韓国が、新型コロナウイルスの爆発的な流行を抑え込み、投票まで漕ぎ着ける見通しになった。

 歴史的にはどうだったのか?