米空母「セオドア・ルーズベルト」(米海軍のサイトより)

 4月7日、安倍晋三首相は、東京など7都府県を対象に、法律に基づく「緊急事態宣言」を行った。

 これを受けて、河野太郎防衛相は7日午後の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言が発令されても、自衛隊の災害派遣活動はこれまでと「変わりはない」と強調した。

 自衛隊は新型コロナに関し、航空機による離島から本土への患者の緊急搬送、空港から一時滞在先への帰国者のバス輸送、一時滞在先での生活支援などに従事してきた。

 本来であれば、河野防衛相はさらに「自衛隊の国防体制は緊急事態宣言下においても引き続き“万全”である。加えて米国のインド太平洋軍の即応体制も盤石である」と強調すべきであろう。

 その理由は以下のとおりである。

米空母セオドア・ルーズベルト艦長解任

 米海軍の空母「セオドア・ルーズベルト」のクロージャー艦長は国防総省に対し、空母内で新型コロナウイルスの感染が拡大し状況が制御不能になっているとして、乗組員の隔離に向けた迅速な支援を要請した。

 艦長は、米領グアムの港に停泊している空母の乗組員約5000人の間で「感染症の拡大が続き、加速している」と言明した。

 これまでに新型コロナウイルス感染症が確認された乗組員の数は150人を超えているという。

 なお、クロージャー艦長はその後、「外部に文書を流出させ、不要な混乱を招き、信頼を喪失した」として解任された。

 報道によれば、クロジャー大佐自身も新型コロナウイルスの検査で陽性と診断されたが、解任前から症状が出ていたという。