ピアラの飛鳥貴雄社長が上場セレモニーにて打鐘をする様子。新規性が高い事業として評価され、2019年度(2020年2月期)は経常利益が27%増、3期連続の最高益更新を記録した

 タイムマシン経営とは、ソフトバンク・孫正義氏が唱えていたキーワード。Yahoo!、iPhone、PayPayなど時時の世界最先端の事例をコピーして日本に持ってくれば、あたかもタイムマシンで未来から持ってきたサービスかのように成功・普及していく、という意味だ。この企画では、日本の最先端を行くベンチャー企業のキーマンに取材し“このベンチャーの成功法則はほかの業界でも使えないか”を検証していく。(企業取材集団IZUMO)

年間の売り上げ目標を3カ月で

「結果にコミットする」――ライザップのCMで有名になったフレーズだが、2018年に東証マザーズに上場したピアラ(東京都渋谷区)は、同じ仕組みで、マーケティング業界、とくにビューティ、ヘルス、食品の市場関係者から注目を集める。代表取締役社長の飛鳥貴雄氏が話す。

「10年間ほど、通信販売やWEBマーケティングのコンサルティングをしていました。具体的に言えば、仮に顧客企業が青汁を売りたいなら『この媒体に、こんなクリエイティブ、こんな文言で訴求すると売れます』と提案していたのです。

 しかしある時から“これは属人的な知識に過ぎない”と考えるようになりました。そして通販の分野で、過去にどんな年齢層向けの、どんな価格帯の商品が、どんなクリエイティブで、どんな媒体で売れたのか、成功パターンを会社を挙げて蓄積していったんです」

 データをAIで分析すると、今までになかった「コンサルティングの自動化」が可能になった。一言で「ウェブ広告」と言っても様々なパターンがある。例えば、サイトやアプリ上の広告枠に表示される「ディスプレイ広告(バナー広告)」、検索エンジンでユーザーが検索したワードに関連した広告を表示する「検索連動型広告」、Facebook、Instagram、Twitter、LINEなどを使った「SNS広告」等だ。また、仮に検索連動型広告なら、ヤフーで行うのか、グーグルで行うのかによって費用も効果も異なる。

ピアラ代表取締役社長の飛鳥貴雄氏