(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年3月23日付)

ニューヨークの学校では10人に1人がホームレス。毎日必要なカロリーの大半を学校から無料で提供される食事に頼っている

 前回の危機では、米政府は銀行を救済した。今は大企業を救済しようとしている。

 企業部門は今、2008年以前の金融業界とよく似て見える。

 債務を抱え、特に借り入れの多い業界があり、大半の企業が成長とイノベーションの幻想を生み出すために巧みな会計手法に頼っている。

 米国企業はかつて、生産能力を拡大するために利益を再投資していた。今では主にダウンサイジングと米国で最も裕福な層への利益分配によって「価値」を生み出している。

 問題は、経済全体が同時に崩壊している今、救済される列の最前列に立つのは誰か、ということだ。

 それは近年、潤沢なフリーキャッシュフローの大半を自社株買いにつぎ込んできた航空会社だろうか。

 それとも、史上最大のアウトソース会社に数えられ、サプライチェーン(供給網)全体の雇用を維持するためには600億ドルの資金が必要だと話しているボーイングのような製造業者だろうか。

 あるいは、最初の小切手は、石油大手やクルーズ業界、ホテル、病院、カジノ、レストラン宛てに書かれるべきなのだろうか。

 今では豚肉生産業者や医薬品会社、ドローン(無人機)メーカーさえもが、財政刺激策に便乗するチャンスを見て取っている。