(英エコノミスト誌 2020年3月21日号)

シンガポール(写真)や韓国は景気後退から脱するのが早いかもしれないが、多くの国は長期間の景気低迷を覚悟しなければならない

過去の実績を見る限り、劇的なGDP減少から完全に回復するまでには平均で約5年の歳月がかかる。

 新型コロナウイルスの感染症「COVID-19」による経済的な打撃の全貌について、多少なりとも自信を持って推計できるようになるまでには、まだしばらく、恐らくは数年の時間がかかるだろう。

 長期のシャットダウン(活動の一時停止)に突入する国が増えるなか、世界が今、その広がりにおいても深さにおいても前例のない国内総生産(GDP)減少に直面していることは、ますます明らかになってきたように思える。

 一部のアナリストは、経済の混乱拡大と市場のパニックの中に、2007~09年の世界金融危機よりも深刻な景気崩壊の兆しを見て取っている。

 投資ファンド、米ピムコのエコノミスト、ヨアヒム・フェルズ氏は先日、政府が十分に積極的な行動を取らなければ世界は市場のメルトダウンに見舞われ、その後、恐慌に陥りかねないと警鐘を鳴らした。

 景気の下降に苦痛はつきものだが、不況の痛みは――非常に急激な不況の痛みであっても――それがどの程度長く続くかに大きく左右される。

 過去の歴史を見る限り、GDPが大幅に減少した後で急回復を遂げることはあり得るものの、回復が保証されるわけではない。

 一部の国、例えばシンガポールや韓国の経済は、今年の下半期までに回復の足がかりを見い出し、上半期のGDPの落ち込みを一部取り戻せるかもしれない。

 しかし、その他の国が2020年に、率にして10%に達するようなGDPの極端な減少を経験する可能性は日に日に高まっている。