(英エコノミスト誌 2020年3月21日号)

人々の生命と経済を救うための闘いで、各国が苦渋の選択を強いられる公算が大きい。
地球全体が扉を閉めつつある。
新型コロナウイルス感染症「COVID-19」を制御しようと、市民に人付き合いを控えるよう求める国が相次いでいる。
各国経済が大混乱に陥ると、死に物狂いの政府は支援金や融資保証の形で数兆ドルの資金を投じ、企業や消費者にこの事態を乗り切ってもらおうとしている。
こうした救済策がどれほどの成果を上げるのか、確かなことは誰にも分からない。
しかし、もっとひどいことがある。
このコロナウイルスについて新たに得られた厄介な知識によれば、パンデミック(世界的な大流行)を阻止するには閉鎖措置を何度も繰り返すことが必要かもしれないのだ。
その一方で、そんな戦略を実行すれば、世界経済に大変な損害――恐らく耐えがたいほどの損害――が生じることも今や明白になった。
行く手には、非常に厳しい選択肢が待ち構えている。