3月17日、ホワイトハウスで新型コロナウイルスについて記者会見するトランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)

(山田 敏弘:国際ジャーナリスト)

 新型コロナウイルスで世界中が混乱しているが、中でも感染者が急増し、ひどい状況になっているのが米国と欧州諸国だろう。欧州では都市だけでなく国境を封鎖するといった動きも見られるほどだ。

 ただ、やはりその動向が注目されているのは世界一の大国・米国だろう。なにしろ米国は現在、感染拡大の増加によって市民生活や経済活動が停滞、株価も大幅下落が続いている。米政府や州は非常事態を宣言して感染対策に乗り出しているが、まさにパニック状態にあると言っていい。

 トランプ大統領は100兆円超えの経済対策や、10人以上の集会を禁止するなど行動指針など大々的な対策を打ち出してはいるのだが、トランプ政権の新型コロナウイルス対策に対する国民の不信感も急速に膨らんでいる。というのも、トランプの新型コロナウイルス対策に大きな影響を与えているのが「ど素人」だからである。

コロナに関して「デタラメ発言」繰り返す大統領

 毎日のようにコメントを出しているドナルド・トランプ大統領だが、まずその発言内容に批判が起きている。

 3月17日に公表されたNPR/PBS/Marist(米公共ラジオ局NPRと、公共TV放送PBSの報道番組ニュースアワー、調査研究所マリスト・ポール)による世論調査では、新型コロナについてのトランプの発言を「信じられる」と答えたのはわずか37%に過ぎない。残り60%は信用できないと答えているのだ。

 というのも、トランプの発言にはデタラメが多いからだ。国内が混乱し国民の不安が高まっているタイミングでの「いい加減な発言」は、さらなるパニックを招きかねない。