(英エコノミスト誌 2020年3月14日号)

新型コロナウイルス肺炎をパンデミックと宣言したWHO(3月11日、写真:新華社/アフロ)

すべての政府が対応に苦戦する。一部の政府はひときわ苦戦する。

 これから何が起こるのかを知りたければ、欧州の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発生の中心地であるイタリア・ロンバルディア州に目を向ければいい。

 同州の病院は世界レベルの医療を提供している。3月初旬までは、この病気に対応できるだろうと関係者らは考えていた。

 するとそこに、肺炎患者の波が押し寄せ始めた。その結果、一部の病院は人工呼吸器や酸素ボンベを使い果たし、スタッフも疲弊してしまったために、患者が亡くなるのをただ見守るしかない状況に追い込まれている。

 世界保健機関(WHO)が11日になってパンデミック(世界的大流行)だと公式に宣言した感染症は急激に広まっている。

 中国を除くベースで見るなら、感染者の数は112カ国の合計でほぼ4万5000人にのぼり、死者も1500人近くに達している。

 疫学者らの見立てによれば、イタリアの状況はスペインやフランス、米国、英国などより1~2週間先行している。

 エジプトやインドなど比較的つながりの弱い国々との差はそれよりも大きいが、それほど大きく開いているわけでもない。

 パンデミックやそれによる経済への影響に直面した経験を持つ人物は、今日の政治指導者にはほとんどいない。その種の影響の中には、2007~09年の世界金融危機を彷彿させるものがあるとしてもだ。