北朝鮮による飛翔体の発射を伝える韓国のテレビ(3月2日、写真:AP/アフロ)

 北朝鮮(以後、北)は、米朝交渉の期限を2019年末として、「世界は、近くわが国が保有することになる新たな戦略兵器を目の当たりにすることになるだろう」とまで言い切って、米国に対して揺さぶりをかけた。

 ところが、年を越え、イラン革命防衛隊「コッズ部隊」司令官が米軍無人機による空爆で殺害されてしまった。

 当然、強硬手段をちらつかせてきた金正恩委員長は、次に無人機によって殺害されるのは自分だと考え、恐怖で震え、空から見える場所に出るのが少なくなった。

 もちろん、記念行事に参加する金正恩氏の行動が実況中継されることは全くなかった。

 1月23日、新型コロナウイルスの蔓延によって中国の武漢市が封鎖された。

 新型コロナウイルスが北の中朝国境の地域や平壌に広まったことで、北は1月28日に「国家非常防疫体制」へ転換し、「拡大防止は国家存亡にかかわる重大な問題」、「すべての通路と隙間の完全封鎖」を指示した。

 北では、食料が不足すると飢えで死亡するのは人民だ。だが、ウイルスは、首領様であろうが、政治局員、軍人、人民にも同じ人間として感染する。

 持病がある人は重症化しやすく、死に至る可能性も高い。金正恩氏は若いにもかかわらず太りすぎで、多くの持病がある。

 ウイルスが感染すれば、重症化するし、死を招くことも十分ありうる。誰よりも恐れているのは、金正恩氏自身だろう。

 そのためか、金正恩氏は側近・軍人の前にさえも現れなくなった。

 そう言うとまず間違いなく反論が返ってくる。「金正恩氏は北の国家行事に参加し、ミサイル発射訓練の視察も行っているではないか、写真にも写っている」と。

 だが、その写真が本物ではない疑いがある。

 私は、軍人と一緒に映っているのは、金正恩氏と軍人を別々に撮影して、一緒にいるように見せかけた合成されたものだと分析している。その根拠を紹介する。