(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年3月11日付)

3月9日、新型コロナウイルスの感染拡大を嫌気してニューヨーク株式市場は2000ドル以上の下げを記録した(写真:新華社/アフロ)

 世界は2008年の金融危機以降、次の世界的な景気下降へ備えるための時間が10年以上あった。

 この時間は有効に使われなかった。

 今、折しも世界屈指の経済大国が貿易摩擦によって割れている時に、新型コロナウイルスの流行という形で大きなショックが到来した。

 景気の弱さを長引かせ、次の通貨戦争を引き起こすバラバラな政策対応は、目前に迫る危険だ。

「COVID-19」として知られる新型肺炎については、いまだに未知のことが多い。

 しかし分かっている事実は、ウイルスがひとたび足場を得た時に唯一有効な対応策が、まず中国、そして今イタリアが講じたような全面的な隔離策であることを示唆している。

 避けられない結果が、規模が大きく世界的な経済的ショックだ。米国を含む世界各地での感染拡大は今週、世界の株価と債券利回りの劇的な低下に寄与した。

 理想的な世界では、すべての中央銀行はインフレ率と金利がともに5%を上回る健全な水準で、この問題に対峙する。

 もしCOVID-19が内需を直撃すれば、必要に応じて金利を引き下げる。政府は対象を絞った財政支援を提供する。